【登山・アウトドアを楽しむ皆さまへ】
富山の自然で“クマと共存するために”できること
立山連峰をはじめ、自然豊かな富山ではクマの生息域と人の活動域が重なっています。安全に自然を楽しむために、そしてクマとの無要なトラブルを避けるために、アラスカ州のクマ対策を参考にした「基本行動」をご紹介します。
◆ クマとの遭遇を避けるために
・音を出しながら行動
静かな山道では、クマが人の存在に気づかないことがあります。鈴をつけたり、会話をしたりして、こちらの存在を知らせましょう。
・視界の悪い場所では特に注意
草むらやカーブではクマとの突然の遭遇が起こりがちです。音を大きめに出すなどして、注意深く進みましょう。
・グループでの行動が効果的
クマは大人数を避ける傾向があります。できるだけ複数人で行動しましょう。
◆ クマに“えさ”を覚えさせないために
・食べ物・ゴミはクマの手の届かない場所へ
キャンプや登山中の食料・ゴミは密閉し、車や専用コンテナ、吊り下げ保管を心がけましょう。
・におい対策も忘れずに
ベーコンや焼き魚などの強いにおいの食品は避け、調理後の服も注意。歯磨き粉や化粧品も誘引の原因になることがあります。
・ペットの餌やフンにも注意
ペットを同行する場合、その排泄物や餌もクマを引き寄せる要因になります。
◆ クマに出会ってしまったら
・落ち着いて、騒がず
距離がある場合は、ゆっくりと後ずさりしてクマに背を向けずその場を離れましょう。
・クマがこちらに気づいたら
静かに話しかけ、手をゆっくり振って自分が人間であることを知らせましょう。それでも近づいてくる場合は、大声や音で威嚇します。
・絶対に走らないでください!
走るとクマの追跡本能を刺激してしまいます。冷静にその場を動かず対応することが大切です。
◆ 万が一、接触してしまったら
・防衛的な攻撃には“うつ伏せ”でやり過ごす
伏せて手で首の後ろを守り、死んだふりをしてやり過ごします。クマが去るまで動かないこと。
・執拗に襲ってくる場合は、反撃も必要
食べ物を狙っての攻撃であれば、熊撃退スプレーの使用や石を投げるなどの反撃が必要になる場合もあります。
◆ 最後に
クマは知的で好奇心旺盛な動物ですが、人間にとっては大きな力を持つ野生動物です。遭遇しない工夫と、万が一に備えた心構えが、安全な自然体験を支えてくれます。クマと無用なトラブルを起こさないために、あなた自身が“クマのいる自然”を理解し、正しく向き合うことが大切です。
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北陸電力株式会社 新価値創造研究所
クマによる人身被害を防ぐために
クマにご注意!
https://www.rikuden.co.jp/kenkyu/attach/joho17.pdf